AI担当のミスが続く理由と、仕組みの作り変え案
先に結論です。
- ミスが続くのは、担当AIの能力や性格の問題ではありません。仕組みの形が原因です。
- いまの直し方は「叱る → 決まりを書き足す」の1通りだけです。決まりは増え続け、互いにぶつかり、守りきれなくなっています。
- 提案は、決まりを足すのをやめて、機械に確かめさせる形へ移すことです。人を増やす必要も、AIを入れ替える必要もありません。
※ これとは別に、早めに手当てが要ることが2つ見つかっています。末尾の「おまけ」をご覧ください。
この資料は、担当AI本人に仕組みと記録を調べてもらった結果(対象は9月10日〜10月10日)をもとにしています。数字は担当AIの集計で、こちらで実物を1件ずつ確かめたものではありません。
1. いま、どういう形になっているか
ミスが起きたときの流れは、こうなっています。
この輪が回り続けた結果が、次の数字です。
- 書きためた決まり・注意が998件あります。
- 人に送る文面の決まりだけで105件あり、互いにぶつかる組が16組あります。全部を同時に守ることはできません。
- 直近1か月に叱られた10件は、「長い・読みにくい」「同じ確認を繰り返す」「確かめずに頼む」「約束の遅れ」に集中していて、同じ種類の指摘が何度も出ています。
- この1か月の仕事の中で、「自分の決まりと道具の手直し」が、お客様対応と並んで上位に入っています。
つまり、決まりを足すほど守りきれない量と中身になっていく、というのが実態です。
決まりを書いた「後」に同じミスが起きたかどうかは、日付をそろえた確認がまだできていません。ここは今後の確認事項です。
2. なぜそうなるのか(7つの仕組み)
それぞれ、A社の現状と、当社でどうしているかを並べます。当社も最初からできていたわけではなく、同じ失敗をして1つずつ作り足したものです。
1直し方が「決まりを書き足す」しかない
なぜミスになるか:片方を守ると、もう片方に反します。実際に「10行以内」を守るために段落を詰め、「読みにくい」と3人から言われています。
2誰の言葉でも「決まり」になる
なぜミスになるか:人によって好みは違って当然です(短いほうがよい人、全部書いてほしい人)。それを1つの決まり集に同じ重さで入れると、矛盾になります。
3覚えておく場所が1つの箱
・人柄と権限(短い。毎回読む)
・手順書(仕事の種類ごと。その仕事のときだけ読む)
・ノート(経緯の記録。必要なときに探す)
毎回読む分には大きさの上限があり、超えそうになると機械が知らせます。
なぜミスになるか:「必ず守ること」と「あとで調べればよいこと」が混ざっているので、箱を整理するたびに大事なものが奥へ沈みます。
4送る前の確認が、的を外している
なぜミスになるか:くわしく調べた3件のうち2件は、「相手の側にもうあるもの」を見ずに送っていました(もう1件は、6番の約束の話です)。別のAIに文面を見てもらう仕組みもありますが、その材料が渡されていないので、同じ間違いに合格が出ます。
5「この件はいま誰が持っているか」が決まっていない
なぜミスになるか:社長の「なんで同じことを何度も聞くの」の件では、2体のAIが同じ「社長の返事待ち」を別々に読んで、別々に聞ける形になっていました。文章で「1本にまとめる」と決めても、相手の動きが見えなければ止まりません。
6約束と「やりました」を確かめる役がいない
なぜミスになるか:AIは返事を書き終えると止まり、次に話しかけられるまで何もしません。「月曜の朝に送ります」と書いただけでは、月曜の朝にAIを起こすものがありません。くわしく調べた3件のうち1件は、まさにこの形で期限を過ぎていました。当社でも同じ理由で約束が実行されず、台帳を作りました。
7見張りが、本体と一緒に止まる
なぜミスになるか:止まったことに誰も気づけないので、「やるはずの仕事が出ていない」が何日も続きます。
3. 比べると(一覧)
| A社(いま) | 当社 | |
|---|---|---|
| ミスの直し方 | 決まりを書き足す | 機械の検査にする。鳴ることを確かめる |
| 決まりを作れる人 | 定めなし(人10人・AI8体) | 社長と、担当の上司だけ |
| 覚える場所 | 1つの箱に約1,260件 | 人柄/手順書/ノートの3つ。毎回読む分に上限 |
| 送る前の確認 | 22個。重複と「相手の既出」は見ない | 入口は1つ。重複を止め、会話を取り直して読む |
| 案件の持ち主 | 文章の取り決めだけ(27件が重複) | 部屋ごとに原則1人。未完の依頼に重ねて作らない |
| 約束 | 168件中、送った記録なしが65件 | 台帳に載せ、機械が催促する |
| 完了の確認 | 本人の報告 | 実際に起きたことで判定 |
| 見張り | 本体の中。通知は切れている | 本体の外。止まったときだけ知らせる |
| 指示を出す人 | 10人 | 主に社長1人(ほかに数人) |
最後の行は大きな違いです。指示を出す人が多いA社のほうが、難しい使い方をしています。だからこそ、2番(誰の言葉を決まりにするか)と5番(誰が持っているか)が、当社以上に大事になります。
4. 提案:こう作り変えましょう
考え方は3つです。
- 決まりを足すのをやめる。機械で確かめられることは機械に移す。
- 「送る出口」と「案件の持ち主」を、それぞれ1つにする。
- 見張りと約束の管理を、AIの外に置く。
進める前に、1つだけ決めること
この作り変えを「進めてよい」と言う人を、社長が1人決めてください。いまは、記憶や決まりの仕組みを直す窓口がAIになっています。仕組みそのものを変える判断は、人が持つことをおすすめします。
① 人に送るものは、すべて1つの出口を通す
自動返信も、定期の配信も、手で送るものも、同じ出口を通します。出口で機械が見るのは次の4つです。
- 同じ相手に、同じ件で、ほかのAIも含めて誰かがもう送っていないか
- 送る直前に、相手の部屋の最新の投稿を取り直したか
- 送ってよい時間帯か(夜中は翌朝まで保留)
- 長さと段落
② 案件に「持ち主のAI」を1体決める
進捗表の持ち主の欄を埋めます。持ち主でないAIは、その件で人に質問を送れないようにします。まず重なっている27件から。
③ 約束は、台帳に載せないと返事を終えられないようにする
「あとで送ります」と書いたら、期日と中身を台帳に載せるまで機械が返事を差し戻します。期日が来たら、機械がAIを起こします。
④ 見張りをAIの外に出す
定期の仕事が予定どおり動いたかを、パソコン側の定期実行から確かめます。止まったら、決めた人に届くようにします。
できあがりの目安:同じ質問が2体から届かない。約束の期日に必ず何かが届く。仕事が止まったら、その日のうちに人が知る。
⑤ 決まりにしてよい人を決める
「この人の言葉は決まりにする」という人を、社長が決めます。AIの言葉は、人が認めたものだけ残します。
⑥ 998件を4つに仕分ける
- 機械に移すもの(長さ・時刻・重複など)→ ①の出口に入れて、文章からは消す
- 相手ごとの好み(◯◯さんには短く、など)→ 相手別の表にして、その人に送るときだけ読む
- 仕事ごとの手順 → 仕事別の手順書へ
- いつも守る原則 → 残す。数は少なく、ぶつかる16組はここで1つに決める
できあがりの目安:担当AIが毎回読む決まりが、1画面で読み切れる量になる。
⑦ 記憶を3つの箱に分ける
人柄と権限/仕事別の手順書/経緯のノート、に分けます。古い記録は消さず、別の場所へ移すだけにします。
⑧ AIでなくてもよい仕事を、AIから外す
定期の仕事の約8割は、会話の題名の付け直しと巡回でした。ここを普通のプログラムに替えると、AIの利用枠が業務のほうに回ります。
やらないほうがよいこと
- 決まりをさらに書き足す。 いまの輪を1周増やすだけです。
- 998件の大掃除から始める。 仕組みが同じなら、また増えます。出口と持ち主が先です。
- AIの数を先に増やす。 持ち主が決まっていないまま増やすと、同じ質問が重なる事故が増えます。
5. おまけ:いま手当てが要ること
仕組みの話とは別に、調べる途中で次の2つが見つかりました。早めの確認をおすすめします。
- 担当AIの定期の仕事が、10月6日の朝から止まっています。 3本が動きかけのまま固まり、ほかが始まらない状態と見られます。朝の進捗のお知らせ、配信の内容案、月初の依頼などが出ていません。戻すときは、読むだけの仕事から先に、人に届く仕事は最後にするのが安全です。
- お客様対応ツールに、未対応が197件たまっています(10月10日朝の一覧の数。担当なしが125件、30日を超えたものが50件)。見落としの見張りも10月2日から動いていません。人の目での確認が必要です。