読み物
AIに自分の文体を覚えさせてみた
AIに記事を書かせると、ちゃんと書けます。でもどこかAIっぽいです。
AIに記事を書かせると、内容はそれなりにまとまります。
間違ってないし、読みやすいし、きれいに整理もされてる。
でも、自分が書いた文章ではない。読めばすぐわかります。たぶん、読んでる人にもバレてます。
なので今回は、AIに記事を書かせるのではなく、自分の文章のクセそのものを覚えさせることにしました。
昔の日報を掘り返した
材料にしたのは、昔、楽天NATIONSという勉強会に参加していたころ、Facebookのグループに毎日書いていた日報です。
日報では、数字の報告と、毎日出されるお題について書きます。会社の理念は?座右の銘は?など真面目なお題から、高校生だった頃の自分に言いたいこととか、誰かに感謝の気持ち伝えてとか多岐に渡るテーマでした。
今のちゃんとした記事より、こっちのほうがよっぽど自分のクセが出てます。
情シス担当のAIに、
「これを読んで、自分の文章の特徴を抜き出して」
と頼みました。
日報とコメントで632件、約13万字。自分で書いといてなんですが、よくこんなに書いてたなと思います。
数えてみたら、こうだった
- 絵文字は13万字で22個
- 文の終わりは「ます」「です」がほとんど
- 「なので」は61回。「しかし」は3回しか使ってない
絵文字が少ないのは自覚があります。昔、仲間に「絵文字がないから感情が読めなくて怖い」と言われました。ただ、笑いながら書いてないし、別に笑かそうとも思ってないので、笑マークつけるのに抵抗はありました。そこもAIにちゃんと拾われてました。
日報のお題は、メンバーが日替わりで出します。
自分の番のとき、お題の代わりに文字化けした文字を投稿しました。
みんな戸惑って、「これは何か意味があるに違いない」「なにかのメッセージだ」と、日報のスレッドがザワザワしだす。自分はそれを黙って眺めてました。
しばらくして、別の人のお題が「懺悔してください」。そこで「あのとき文字化けを投稿してごめんなさい。お題を考えるのがめんどくさかったんです」と言い放ちました。
この一連の流れを、AIは「人を食った特徴」ととらえて、今後の文章づくりに活かそうとしてます。笑えます。
どう活かすん。
Viberの会話まで読ませた
さらに、普段の会話も読ませました。Viberです。
記事のために書いた文章じゃないので、こっちのほうが素が出ます。たとえば、
- 「さすが楽天、店舗のこと考えてない」
- 「スタッフも見るslackで報告しやがったので」
- 「人材育成では挫折したけどAIなら頑張れそう」
基本的に口は悪いのですが、いつも、AIに原稿渡して記事にしてもらうとだいたいそういう部分は修正されてました。
こういうのを拾っていくと、「短文が多い」「口語調」みたいな表面の話ではなく、
- どこで茶化すのか
- どこで急に真面目になるのか
- どういう言葉を使うのか
- どういう言い方はしないのか
まで見えてきます。
文体は、語尾じゃなかった
最初は、語尾と句読点と口ぐせを真似すれば、それっぽくなると思ってました。
違いました。
クセが出るのは、
- 何を先に言うか
- どこまで説明するか
- どこで自分の失敗を書くか
- どこで話をひっくり返すか
- どこで余計な一言を入れるか
のほうでした。つまり、文章の考え方です。
なので作ったのは、口調の設定ではありません。「自分ならどう書くか」を判断するための文体プロファイルです。
ちなみにAIが抜き出した自分の型は、「できてないことを先に言う → 数字を出す → やったことを並べる → 一言だけ感想 → 次にやることで締める → 最後に1行だけボケる」でした。いや、ボケたつもりも狙ったつもりもないけど、そう捉えたんだ。。
AIが勝手に「それっぽい自分」を作ってくる
「もっと自分っぽくして」とだけ言うと、AIは「この人ならこういう毒を言うだろう」「ここでボケるだろう」と想像して足してきます。
これが危ない。AIけっこうおもんない奴なので。優秀だけど。
実際、前に書いた技術書の記事を書き直させたとき、最後に「机に積んであった本はまだ積んだままです」とAIが勝手に足してきました。完全に創作です。
ただ、これは採用しました。言ってないけど、言いそう。
AIは自分のコピーではなく、自分の文章から推測してるだけなので、当たり外れがあるのは当然です。
なので文体プロファイルには、「こういう言い方をする」だけでなく、「こういう言い方はしない」も入れていきます。
ただ、これで完全版かというと、違います。
長い記事を材料にしてないからです。
短い投稿からは、言葉づかい・ボケ・毒・口ぐせはだいたいわかる。
でも、記事全体をどう組み立てるか、どこまで説明してどこで切るか、どの順番で話を進めるかは、長い文章がないとわかりません。
一番効くのは、自分が直した履歴
情シス担当のAIと話していて、これはそうだなと思ったのが、
AIが書いた文章と、それを自分が直した文章の差分
が一番の材料になる、という話です。
AIが「こう書くだろう」と思って書く。自分が「これは言わない」「ここは長い」「もっと雑でいい」「説明しすぎ」と直す。
この直しの積み重ねが、たぶん一番正確な教材です。
過去の文章から推測させるより、外したところを教えるほうが早い。
AIに書かせる、から、AIに自分を覚えさせる、へ
今までは「AIに記事を書いてもらう」という感覚でした。
今回やってるのは、AIライターを育てることです。
会社や商品の情報だけでなく、誰が書いているのか、どういう文章を嫌うのか、どこまで説明するのか、どこでふざけるのか、まで持たせる。
そうすると、「AIが書いた記事を人が直す」から、「最初からかなり自分に近い記事をAIが書く」に変わっていくはずです。
ちなみにこの記事も、たたき台は別のAIが書いて、それを情シス担当のAIが文体プロファイルで書き直しています。ここから自分が直します。直した分が、そのまま次の教材になります。
人材育成では挫折しましたが、AIの育成は頑張ります。まだ成功してないけど。
この記事は、いまのあなたに合っていましたか
ボタンについては、お名前を取っていません。同じ方が二重に数えられないようにするためだけに記録が残ります。