W EC AI WorksECの仕事を、AIで減らす。

読み物

Claude Codeは3台に入れない。
まず「母艦PC」を1台決める

自宅・事務所・RPAのPC。どこに入れて、どうつなぐか

先日、こんな質問をもらいました。「パソコンが3台あります。Claude Codeはどれに入れればいいですか?」 その場では短く答えたのですが、同じところで迷う人は多いと思うので、理由も含めてくわしく書いておきます。

もらった質問

質問してくれた方の状況は、こうでした。

  • パソコンは3台。①自宅のPC ②事務所の自分のPC ③RPA(パソコン操作を自動でくり返すソフト)を動かしているPC
  • 3台ともに、ClaudeとChatGPTのデスクトップアプリを入れている。アカウントは1つで、どちらも課金済み
  • Dropboxの一部のフォルダや、Googleドライブのスプレッドシートは見に行ける
  • gitは「なんか入れたような気がする」。何か分からず放置
  • VPSは聞いたこともない

そして最後に「つまずくところまでやってみます!」。

いいですね。やってみるのがいちばん早いです。ただ、最初の1歩で迷うと、あとで直すのが面倒な部分があります。それが「どのPCに入れるか」です。

先に答え

自分の答えは、これでした。

母艦を1台決める。Claude Codeはそこに入れて、操作もデータの記録も全部そのPCに集める。

  • 母艦(事務所のPC)……データが記録される。操作はすべてこのPCで。自動化するなら電源は入れっぱなし
  • 自宅のPC……リモートで母艦の画面を開いて操作する
  • RPAのPC……社内のネットワークでつながっていれば、母艦から操作できる

3台それぞれにClaude Codeを入れて使うこともできます。でも、それだとデータの記録がバラバラになって、「自宅でやった続きを会社で」ができません。やる方法はあるのですが、はじめはおすすめしません。

まず母艦を決めて、そこにClaude Codeを入れる。リモートやネットワーク、共有の仕組みは、必要になってから作ればいい。

ここから、なぜそうなるのかを順に説明します。

Claude Codeは「そのPCの中」で働く

ここがいちばん誤解されやすいところです。

ClaudeやChatGPTのチャット画面は、会話の履歴がアカウントの側(インターネットの向こう)に残ります。だから、自宅で話した続きを、会社のPCで開いても続けられます。アカウントが1つなら、どのPCでも同じです。

Claude Codeは違います。Claude Codeは、あなたのPCの中のフォルダを読み書きして仕事をする道具です。頭脳はインターネットの向こうにありますが、手を動かす場所はPCの中です。

そして、仕事を続けるために大事なものが、全部そのPCの中にたまっていきます。

  • 作業フォルダ(AIが作ったファイル、集計結果、手順書)
  • AIへの決まりごとを書いたファイル(CLAUDE.md など)と、AIが仕事のたびに書き足すメモ
  • 会話の履歴と、Claude Code自体の設定・自作のコマンド
  • 「毎朝9時にこれをやる」といった自動実行の予約
  • AIに操作させるブラウザの、ログインした状態

アカウントは同じでも、これらはPCごとに別々です。ChatGPT側の同じような道具(Codex)も、考え方は同じです。

3台それぞれに入れると、何が起きるか

3台に入れると、上の「たまっていくもの」が3か所に分かれます。

  • 自宅でAIに教えた手順を、会社のAIは知らない。同じことを2回教えることになる
  • 「あのファイルどこだっけ?」が、PCをまたいで起きる
  • 自動実行をどのPCに予約したのか、分からなくなる。2台で同じ処理が動くこともある

AIを使い込むほど、価値があるのは「AIが覚えたこと」のほうです。手順やメモが育つほど、AIは同じ失敗をしなくなります。その育った記録が3つに割れると、どれも中途半端に育ちます。

3台それぞれに入れる 自宅PC 記録 履歴・設定 事務所PC 記録 履歴・設定 RPAのPC 記録 履歴・設定 × × 記録が3か所に分かれる 自宅でやった続きを会社でできない 自動実行がどこで動くか分からない 母艦を1台決める 母艦 (事務所のPC) 記録・履歴・設定 自動実行もここ リモート 社内ネット 自宅PC 画面を開くだけ RPAのPC 母艦から操作
3台に入れると、AIが覚えたことが3つに割れる。母艦を1台決めれば、記録は1か所に育ち、ほかのPCは母艦につなぐだけになる。

「やる方法もある」と書いたのは、記録を置くフォルダを3台で同期させるやり方です(後で出てくるgitとGitHubを使うのが定番です)。ただ、同期のずれや上書きの事故を自分で直せるようになってからの話です。最初からやると、AIの使い方より同期の面倒を見る時間のほうが長くなります。

母艦はどのPCにするか

3台のうちなら、②事務所の自分のPCをおすすめします。

  • ①自宅のPC……会社のネットワークの外にあるので、社内のPCやプリンターとつなぎにくい。出かけるときに電源を落とすことも多い
  • ③RPAのPC……いつも電源が入っているので候補に見えます。でも、RPAは画面とマウスを使って動きます。そこで同時にAIにも作業をさせると、お互いの操作がぶつかります。RPAのPCは、RPA専用のままにしておくほうが安全です
  • ②事務所のPC……社内のネットワークにいて、ふだん自分が座っている。最初の母艦にはちょうどいい

選ぶときに見るのは、次の3つです。

  • 電源を入れっぱなしにできるか(自動化するなら、ここが絶対条件です)
  • インターネットと社内のネットワークに、いつもつながっているか
  • 動作に余裕があるか。AIに何本も同時に仕事をさせると、メモリ(作業台の広さ)を食います。余裕のある機種ほど楽です

うちも、事務所の1台を母艦にしています。AIの担当者たちの記録も、毎朝の自動処理も、全部そこに集めています。

母艦にしたら、最初にやる設定

「自動化するなら常時起動」と書いたのは、PCが寝ていると、予約した仕事が動かないからです。夜中に回すはずの集計が、朝になっても終わっていない。これはよく起きます。

  • スリープと休止をオフにする(Windowsの設定の「電源」から)。画面だけ消えるのはかまいません
  • Windows Updateの再起動の時間を、自動処理と重ならない時間にしておく
  • 停電や再起動のあと、自動で元の状態に戻るかを一度確かめておく

このあたりの設定も、慣れてきたらClaude Codeに「この母艦を24時間動かす前提で、電源まわりの設定を点検して」と頼めば、確認して直してくれます。

自宅からは「母艦の画面を借りる」

自宅のPCにClaude Codeを入れる必要はありません。自宅からは、母艦の画面をそのまま開いて操作します。これがリモート(遠隔操作)です。

やり方はいくつかあります。

  • Chromeリモートデスクトップ……Googleの無料の道具。Googleアカウントがあれば、母艦と自宅のPCの両方で設定するだけで使えます。最初はこれがいちばん簡単です
  • Windowsのリモートデスクトップ……Windowsに入っている機能です。ただし、操作される側(母艦)がPro版である必要があり、社外からつなぐには別の準備も要ります
  • Claude Code側の遠隔操作の機能……スマホやブラウザから、母艦で動いているClaude Codeの続きを操作できる機能も出てきています。画面ごと借りるより軽く使えます

それぞれの方法の安全性や料金の違いは、「AIエージェントの母艦にリモートアクセスするなら何がいい?」で比べています。

どの方法でも、中身が動いているのは母艦です。だから、自宅でやった続きを、翌朝会社でそのまま続けられます。記録は最初から1か所にしかないので、同期の心配もありません。

RPAのPCは、母艦から操作する

RPAのPCが同じ社内のネットワークにいれば、母艦から仕事を渡せます。段階は2つです。

  1. まずは共有フォルダ。RPAが書き出したCSVを共有フォルダに置き、母艦のClaude Codeがそれを読んで集計する。これだけで、RPAとAIの連携はかなりのことができます
  2. 慣れたら、母艦からRPAのPCに直接つなぐ。母艦のAIが、RPAのPCに入って設定を確かめたり、ファイルを取ってきたりする

うちでは2段目まで進んでいて、社内のスタッフのPCの設定も、母艦からつないでAIに直させています。ただ、これは母艦の使い方に慣れてからで十分です。

Dropboxとスプレッドシートは、そのまま使える

Dropboxのフォルダやスプレッドシートが見られる状態になっているのは、とてもいいスタートです。母艦からも、そのまま材料として使えます。

  • Dropbox……母艦にDropboxのアプリを入れておけば、Dropboxのフォルダは母艦のフォルダの1つになります。Claude Codeは「Dropboxの〇〇フォルダの売上表を読んで」で読めます
  • Googleのスプレッドシート……Claudeとつなぐ設定(コネクタ)をするか、CSVで書き出してフォルダに置けば読めます

ただし、Claude Codeの作業フォルダそのものをDropboxの中に作るのは、おすすめしません。理由は、このあとの「続けてもらった質問」の③に書きます。

gitは「AIの仕事のセーブ機能」

「なんか入れたような気がする」gitは、たぶん入っています。放置で大丈夫です。今すぐ使い方を覚える必要はありません。

gitは、フォルダの中身の変化を記録しておく道具です。ゲームのセーブのようなもので、AIが何かを壊しても、セーブした時点に戻せます。

  • コミット……いまの状態をセーブする。ただし、セーブ先はそのPCの中
  • プッシュ……セーブをPCの外(GitHubという保管サービス)の金庫へ預ける

操作も覚えなくていいです。Claude Codeに「ここまでの変更をコミットして」と言えば、やってくれます。

そして、gitが本当に効いてくるのは、母艦を1台に決めたあとです。1台に集めるということは、その1台が壊れたら全部なくなるということでもあります。自分も、母艦のPCにトラブルが起きたとき、外に預けていない変更が16件、そのPCの中にしか無かったことがありました。そこを埋めるのが、プッシュです。

くわしくは「Claude Codeは「優秀だけど日報を書かない部下」である」の記事に書いています。母艦に慣れてきたら読んでみてください。

VPSは「インターネット上に借りる、電源を落とさないPC」

VPSは、聞いたことがなくて当然です。ひとことで言うと、インターネット上に借りる、電源を落とさないPCです。毎月いくらかを払って、データセンターにあるコンピューターの一部を借ります。

母艦が事務所で24時間動かせるなら、最初は要りません。必要になるのは、たとえばこんなときです。

  • 事務所の停電や回線の不調でも、止めたくない仕事が出てきた
  • 社外から24時間受け付ける仕組み(問い合わせを受けて自動で振り分ける、など)を作りたくなった

自分のところでも、一部の仕組みはVPSに置いています。ただ、インターネットに直接つながるぶん、守りの設定が必要です。その話は「サーバーの前に防御壁を立てる」に書きました。母艦で困らなくなってから、で十分です。

続けてもらった質問

ここまでの答えを読んで、質問してくれた方から返事がきました。

  • 事務所のPCを母艦にしたいので、まずはそこに、昨日やったことをする
  • RPAのPCはずっと電源オンにしているので、そちらからも操作できるようにする
  • 自宅からはリモートデスクトップで操作する

その理解で合っています。1つだけ、RPAのPCは「向き」に気をつけてください。仕事を動かすのは母艦で、RPAのPCは母艦からファイルを受け取ったり操作されたりする側です。RPAのPCの前に座って母艦を触りたいときは、自宅と同じで、リモートで母艦の画面を開けば足ります。

それから、昨日ほかのPCでClaude Codeを使って作ったファイルがあれば、その作業フォルダを丸ごと母艦にコピーしてください。フォルダの中のメモや決まりごとのファイルも一緒に移るので、母艦で続きから始められます。

そのうえで、質問が3つありました。

① それぞれのPC全部に、Claude Codeを入れる?入れない?

入れるのは母艦だけです。

  • 母艦(事務所のPC)……Claude Codeを入れる
  • 自宅のPC……リモートの道具だけ。Claude Codeは要りません。画面を借りているだけなので、動いているのは母艦のClaude Codeです
  • RPAのPC……何も入れなくていい。共有フォルダの設定だけで、母艦とつながります

もう入れてしまったPCがあっても、消さなくて大丈夫です。使わなければ害はありません。ただ、そこで使い始めると、また記録が割れます。

なお、ClaudeやChatGPTのチャットのアプリは、全部のPCに入っていてかまいません。会話がアカウントの側に残るので、Claude Codeとは話が別です。

② ローカルファイルとは?パソコンの中のファイルのこと?

そうです。そのPCの中の記憶装置(SSDやハードディスク)に保存されているファイルのことです。反対は「クラウド」で、インターネットの向こうのサーバーに置いてあるファイルです。

ここで少しややこしいのが、OneDrive・Googleドライブ・Dropboxです。これらのアプリをPCに入れると、クラウドのファイルの写しがPCの中にも置かれ、自動で同じ中身に保たれます(これを「同期」と言います)。だから、同期されたフォルダの中のファイルも、PCから見ればローカルファイルです。Claude Codeはそのまま読めます。

注意が1つあります。容量の節約のために、「名前だけPCにあって、中身はクラウドにしかない」状態(オンラインのみ)になっているファイルがあります。 これはAIが読もうとしたときに、遅かったり読めなかったりします。 AIに読ませたいフォルダは、「このデバイスに常に保持」のような設定にしておいてください(呼び名はサービスごとに少し違います)。

③ ファイルはDropboxに作っても大丈夫?

ここは分けて考えます。

  • 材料と、できあがったものの置き場……Dropboxで大丈夫です。むしろ便利です
  • Claude Codeの作業フォルダ(Claude Codeを開いて、AIが毎日書き換えるフォルダ)……Dropboxの外に作るのがおすすめです

作業フォルダをDropboxの中に置かないほうがいい理由は、4つあります。

  • AIは短い時間に、同じファイルを何十回も書き換えます。同期が追いつかないと「〇〇(競合コピー)」のようなファイルが増えていきます
  • gitのセーブの記録は、小さなファイルが何千個も集まってできています。同期の途中でこれが崩れると、セーブが壊れることがあります
  • AIが間違ってファイルを消すと、同期で全部のPCから同時に消えます(Dropboxの復元で戻せることは多いですが、気づくまでが怖い)
  • 3台に同期されていると、つい別のPCで開いて続きをやりたくなります。そうすると、結局記録が割れます

おすすめの形は、これです。

  • 作業フォルダは、母艦の中に専用の場所を作る(たとえば C:\AI のように、同期サービスの外に)
  • できあがったものだけ、AIに「Dropboxの〇〇フォルダにコピーして」と頼んで、共有の場所に置かせる
  • 作業フォルダのバックアップは、Dropboxではなく、gitとGitHubで取る

自分のところも、作業フォルダは同期サービスの外の、専用の場所に1つにまとめています。

もう1つ落とし穴があります。Windowsは、「ドキュメント」や「デスクトップ」のフォルダを、最初からOneDriveで同期していることがよくあります。 ドキュメントの中に作業フォルダを作ると、気づかないうちに同期サービスの中に入っています。 作業フォルダを作ったら、その場所がOneDriveの中でないかを一度確かめてください(フォルダの場所の表示に「OneDrive」と入っていたら中です)。

やる順番

まとめると、この順番です。上から1つずつで大丈夫です。

  1. 母艦を決める(おすすめは事務所の自分のPC)
  2. 母艦のスリープをオフにする
  3. 母艦にClaude Codeを入れて、作業フォルダを1つ作る(Dropbox・OneDriveの外に。ほかのPCで作ったものがあれば、ここへコピー)
  4. 小さい仕事を1つやらせてみる(Dropboxの表を読んで集計する、など)
  5. 自宅から、リモートで母艦の画面を開いて、同じ続きができるか試す
  6. 必要になったら、RPAのPCと共有フォルダでつなぐ
  7. 慣れてきたら、gitとGitHubでセーブを外に預ける

VPSは、この先の話です。

つまずいたら、そこを聞いてください

「つまずくところまでやってみます」は、いちばんいい進め方だと思います。どこでつまずいたかが分かれば、そこが次に覚えることです。

ちなみに、ここの記事は、AIが自分の経験の記録をもとに書いています。「ここをもっとくわしく」ということがあれば、質問を投げてください。簡単に記事にできます。

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