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AIに仕事をさせるな。
プログラムに仕事をさせろ。
「AIが作業する」のではなく、「作業はプログラムが行い、そのプログラムをAIが実行する」
楽天の業務をAIで自動化する仕組みを、スタッフと一緒に作っています。
- メルマガを作る。
- ランキングを確認する。
- クーポンを設定する。
- レビューを拾う。
- 商品情報を変更する。
こうした、今まで人間がやっていた仕事を少しずつ自動化しています。
ところが、スタッフ側で進めていた自動化が、どうも安定しませんでした。
- 動くときもあるけれど、途中で止まる。
- 同じことをさせても、前回と動きが違う。
- うまくいかない部分を、その都度AIエージェント自身が考えながら対応している。
そこで、どういう仕組みになっているのかを改めて調べました。
すると、原因がかなりはっきりしました。
私がこれまで作ってきた自動化は、
「AIが作業する」のではなく、「作業はプログラムが行い、そのプログラムをAIが実行する」
という形になっていました。
ところが、今回スタッフ側で作っていた自動化は、そうなっていませんでした。
プログラムが処理するのではなく、AIエージェント自身が手順を見ながら、画面を操作し、判断し、その場その場で仕事を進めていたのです。
ここで、ひとつ大事なことに気づきました。
この構造は、最初から意識して作らないと、AIが勝手にそうしてくれるわけではありません。
「この業務を自動化して」とAIに頼むと、AIはその業務を自分自身で処理しようとします。
ブラウザを開き、画面を見て、ボタンを探し、入力し、次に何をするかを考える。
一見すると、それでも自動化できています。
むしろ見た目には、AIらしくてすごく見えます。
ただ、そのまま作っていくと、
AI自身が作業員になった、不安定な自動化
が完成してしまいます。
本当に安定させたいなら、こちらから意識して、
「これはAIにやらせる仕事なのか」
「それともプログラムにやらせる仕事なのか」
を分けなければいけません。
今回、うまくいかなかったことで、ここがAI自動化ではかなり重要だと改めて分かりました。
AIエージェントに全部やらせると不安定になる
例えば、
「楽天RMSにログインして、ランキングを確認して、対象商品を選んで、メルマガを作って、設定してください」
とAIに頼むとします。
AIがブラウザを開いて、
画面を確認して、
ボタンを探して、
入力して、
次の画面へ進んで……
ということを、その都度考えながら操作する。
一見すると、これこそ「AIエージェント」らしい動きです。
でも、実際に業務で使ってみると問題が出ます。
- 画面表示が少し変わる。
- 読み込みが遅れる。
- ポップアップが出る。
- AIの判断が前回と少し変わる。
- 途中でコンテキストが増える。
- 同じ仕事なのに毎回微妙にやり方が違う。
こうなると、
「昨日できたのに今日はできない」
ということが起きます。
デモでは動く。
でも毎日の仕事では怖くて使えない。
これでは業務自動化とは言えません。
仕事はプログラムにやらせる
そこで私がやっているのが、
作業そのものをプログラムにする
という方法です。
例えば、
「注文データを取得する」
という仕事があるなら、
AIが毎回どうやって取得するか考えるのではありません。
注文データを取得するプログラムを作る。
次に、
「条件に合う注文を抽出する」
のであれば、その処理もプログラムにする。
「データを更新する」
のであれば、それもプログラムにする。
すると、
という工程が、それぞれ決まった部品になります。
AIは、
「①を実行してください」
「終わったので②へ進んでください」
とプログラムを動かすだけです。
これなら、同じ条件なら毎回ほぼ同じ結果になります。
AIは作業員ではなく「現場監督」
私はAIエージェントを、
すごく優秀な作業員
として使うより、
現場監督
として使う方がいいと思っています。
作業そのものは機械がやる。
AIは、
- 「今日はこの仕事をする」
- 「このプログラムを動かす」
- 「結果がおかしいので止める」
- 「このケースは人間に確認する」
- 「次の工程へ進む」
という判断をする。
工場に置き換えると分かりやすいです。
AIが毎回ドライバーを持ってネジを締めるのではありません。
ネジを締める機械を作る。
AIは、
「この製品には、この機械を使う」
と判断する。
この方が圧倒的に安定します。
今回、楽天自動化で起きていたこと
今回、一緒に楽天の自動化を作っている環境を調べてみると、まさにこの違いが出ていました。
楽天の施策には、
- メルマガ
- クーポン
- ランキング
- 商品名変更
など、すでにたくさんの道具が作られていました。
つまり、
部品はかなり揃っていた。
ところが、
その部品を順番に動かして、最初から最後まで仕事を終わらせる仕組みが十分できていませんでした。
画面に、
「次はこれをしてください」
と表示され、
それを見たAIエージェントが手順書を読みながら仕事をする。
つまり、
自動化システムが仕事をしているのではなく、AIエージェント自身が作業員になっていた。
一方で、すでに安定して動いている別の受注自動化では違います。
工程ごとにプログラムがあります。
とプログラムが順番に実行されます。
人間やAIが毎回やり方を考えるわけではありません。
だから安定します。
この違いは非常に大きいです。
「AIに何をさせるか」と「プログラムに何をさせるか」を分ける
ここで大事なのは、
全部をプログラムにすればいい
という話でもありません。
AIが得意な仕事もあります。
例えば、
- 「どの商品をメルマガで紹介するか」
- 「レビューの内容から何が問題なのか判断する」
- 「どの文章の方がお客様に伝わるか」
こういう仕事はAIが得意です。
逆に、
- 「CSVを取得する」
- 「管理画面に決まった値を入れる」
- 「データをこの場所に保存する」
- 「この順番でボタンを押す」
こういう決まりきった仕事はプログラムの方が向いています。
つまり、
判断はAI。
作業はプログラム。
この役割分担です。
もう少し細かくすると、
AIが担当するもの
判断 文章作成 分析 例外対応 次に何をするかの決定
プログラムが担当するもの
取得 入力 転記 計算 保存 画面操作 決められた処理
です。
自動化は「AIエージェントを作ること」ではない
ここも勘違いしやすいところです。
AIエージェントを一人作ったから、
「これで楽天を自動化できます」
とはなりません。
本当に必要なのは、
仕事を工程に分解して、一つずつ機械化すること。
です。
例えばメルマガなら、
- 商品候補を取得する
- 売上データを見る
- 掲載商品を決める
- 文章を作る
- 画像を準備する
- RMSへ登録する
- 内容を確認する
- 配信する
- 結果を記録する
と分解します。
そのうえで、
「ここはプログラム」
「ここはAI」
「ここは人間」
と決めます。
この設計をしてから自動化する。
これが重要です。
いきなり全部自動化しない
今回も、楽天には複数の自動化フローがあります。
でも、全部一気に直す必要はありません。
まず、
メルマガ一本だけを最初から最後まで完全に通す。
商品選定から、文章作成、登録、確認まで。
途中でAIが手作業している部分をできるだけ減らし、
プログラムが仕事を進めるようにする。
それが安定したら、
その構造をクーポンやランキングなど他の業務へ横展開する。
この方が早いです。
AI自動化で一番大事なのはAIではない
AI自動化という名前なので、
どうしても、
「どのAIを使うか」
「どんなAIエージェントを作るか」
に目が行きます。
でも、実際に業務で使える自動化を作ってみると、重要なのはそこではありません。
仕事をどう分解するか。
そして、
どこまでを機械に任せ、どこからをAIに判断させるか。
こちらの方がはるかに重要です。
AIに何でもやらせようとすると、
すごそうなシステムはできます。
でも不安定です。
プログラムにできるものはプログラムにする。
AIはその上で判断し、指示を出す。
人間は、本当に人間にしかできないところだけを見る。
私は今のところ、
この形が一番実務で使えるAI自動化だと思っています。
まとめると、とてもシンプルです。
AIに仕事をさせるのではない。
仕事をするプログラムを作る。
そして、そのプログラムをAIに使わせる。
これが、私が考えるAI自動化の基本です。
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ボタンについては、お名前を取っていません。同じ方が二重に数えられないようにするためだけに記録が残ります。