W EC AI WorksECの仕事を、AIで減らす。

読み物

AIが3日間暴走していた。
本当に怖いのは、無限のトークン消費

人間が寝ている間もAIは働いてくれます。でも同時に、人間が寝ている間もAIは失敗できます。

最近、なんとなく違和感がありました。

「週次の利用制限に近づくの、ちょっと早くないか?」

普段からClaude Codeをかなり使っているので、トークンを消費すること自体は珍しくありません。

ただ、それにしても早い。

そのとき、社内では15本ほどのAIセッションが動いていました。

そこで、

「どのセッションが一番トークンを使っているのか調べて」

とAIに調査させました。

すると、原因が分かりました。

プログラムが3日間ループしていた

ある処理が正常に終了せず、ループ状態になっていました。

しかも、それが3日間。

その間ずっと、AIを呼び出し続けてトークンを消費していました。

完全に暴走です。

怖かったのは、暴走そのものよりも、

3日間、誰も気づかなかったこと。

でした。

AIの自動実行を増やしていくと、人間が画面を見ていないところで処理が動くようになります。

これは自動化のメリットですが、逆に言えば、

「誰も見ていないところで壊れる」

ということでもあります。

今回、まさにそれが起きました。

自動処理を止めたくなかったので、追加トークンを購入

困ったのが、普段から動かしている自動実行処理です。

社内では、AIが定期的に動いて業務を処理する仕組みをいくつも作っています。

ここで利用制限に達すると、自動処理まで止まってしまう可能性があります。

それを避けるために、追加トークンを購入しました。

ところが。

追加購入したトークンの減り方が、とにかく速い。

すでに暴走していたプログラムは止めています。

普通に使っているだけなのに、

「こんな勢いで減るのか」

という状態でした。

暴走によって、それまでの利用枠をかなり食いつぶしてしまっていた影響もあります。

さすがにこれはまずい。

そこで今回、トークン管理の仕組みそのものを見直すことにしました。

「暴走を直す」だけでは足りない

今回の原因になったプログラムだけ直して終わり。

では、また別の場所で同じことが起きます。

なので、今回やったのは、

  1. 暴走に気づく。
  2. 暴走を止める。
  3. そもそも暴走しにくくする。

この3段階です。

プログラムのループや異常実行を検知する仕組みを追加し、一定条件を超えた処理は止められるようにしました。

さらに、

「トークンが急激に減っている」

という状態自体を監視するようにしました。

つまり、

プログラム単体を見るのではなく、AI全体の消費量を見る。

という考え方です。

これなら、今回とは別の原因でトークンを大量消費しても気づけます。

プログラム単体を見る 原因のプログラム 別のプログラム 別のプログラム 別のプログラム 原因になったプログラムだけ直して終わり、では また別の場所で同じことが起きる AI全体の消費量を見る 原因のプログラム 別のプログラム 別のプログラム 別のプログラム AI全体の消費量を監視 「トークンが急激に減っている」 別の原因で大量消費しても気づける
プログラム単体を見るのではなく、AI全体の消費量を見る。

普段使うAIモデルも見直した

もう一つ見直したのが、通常利用時のトークン消費です。

これまでは基本的にOpusを使い、難しい処理が必要なときだけFableのサブエージェントを呼び出す構成にしていました。

今回はさらに、

簡単な仕事なら、自動的に軽いモデルへ下げる

仕組みも追加しました。

すべての仕事に一番高性能なAIを使う必要はありません。

  • ファイルを確認するだけ。
  • 簡単な集計をするだけ。
  • 決められた処理を実行するだけ。

こういう仕事まで、毎回強いモデルを使わせるのはもったいない。

人間の会社でも、

「全部の仕事を社長がやる」

なんてことはしません。

AIも同じで、

仕事の難易度によって、使うモデルを変える。

仕事の難易度によって、使うモデルを変える 簡単な仕事 軽いモデル (今回追加) 普段の仕事 Opus 難しい処理 Fableの サブエージェント
すべての仕事に一番高性能なAIを使う必要はない。簡単な仕事なら、自動的に軽いモデルへ下げる。

これからは、AI組織でもこの考え方が重要になると思っています。

Claude Codeが止まっても業務は止まらない

幸い、今回の件で実際の業務が止まることはありませんでした。

以前から、

Claude Codeが止まった場合は、Codexが代わりに処理する

という仕組みを作っていたからです。

なので、業務上の大きな実害はありませんでした。

ただ今回、

「トークン切れもシステム障害の一種」

だと実感しました。

  • サーバーが落ちる。
  • ネットが切れる。
  • APIが止まる。
  • AIが利用制限に達する。

原因は違っても、

仕事が止まるという結果は同じです。

なので、この代替処理の仕組みについても念のため強化しました。

初めてAIのミスで「お金」という実害が出た

これまでAIが間違えることは何度もありました。

  • 変な回答をする。
  • プログラムを間違える。
  • 指示を勘違いする。

そういう失敗は普通にあります。

ただ今回、

AIやプログラムのミスによって、直接お金が減る

という経験を初めてしました。

追加トークンを購入することになったので、完全に金銭的な実害です。

でも、これはいい経験だったと思っています。

自動化を進めれば進めるほど、

「AIを動かす仕組み」

だけではなく、

AIが失敗したときに被害を広げない仕組み

が必要になります。

今回の失敗をきっかけに、その部分をかなり強化することができました。

一番怖かったのは「自動購入」

そして今回、あとから考えて一番怖かったことがあります。

Claude Codeの設定で、

追加トークンを自動購入する設定にしていませんでした。

さらに、

追加購入したトークンの使用額にも上限を設定していました。

そのため、損害は一定額で止まりました。

もしこれが、

「残高が減ったら自動購入」

さらに、

「利用上限なし」

だったら。

3日間暴走していたプログラムが、

トークンを使う
↓
自動購入する
↓
また使う
↓
また自動購入する

を繰り返していた可能性があります。

考えるだけで怖いです。

実際の設定 追加トークンを自動購入しない 使用額に上限を設定 損害 上限 損害は一定額で止まった もしこうだったら 「残高が減ったら自動購入」 「利用上限なし」 損害 また使う、また自動購入する、の繰り返し
自動購入にせず、使用額にも上限を設定していたので、損害は一定額で止まった。「残高が減ったら自動購入」で「利用上限なし」だったら、繰り返していた可能性がある。

AI自動化では、

「便利だから自動にする」

だけでは危険です。

自動化するなら必ず、

止まる仕組みも一緒に作る。

今回、身をもって学びました。

AIエージェントを増やしていくと、人間が寝ている間もAIは働いてくれます。

でも同時に、

人間が寝ている間もAIは失敗できます。

自動化を進めるほど重要になるのは、賢いAIを使うことだけではありません。

  • 暴走に気づくこと。
  • 止められること。
  • 使いすぎないこと。
  • 代わりの仕組みを用意しておくこと。
  • そして最後に、必ず上限を作っておくこと。

今回のトークン大量消費は痛い失敗でしたが、今後さらにAIへ仕事を任せていくためには、必要な授業料だったと思っています。

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