W EC AI WorksECの仕事を、AIで減らす。

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AIに言えばやってくれるのに
WEBアプリ作る必要ある?

AIは判断する。プログラムは確実に実行する。管理画面は、その状態を人間に見せる。

最近、楽天の商品LPを管理するシステムを作りました。

うちでは、普段は一般商品として販売している商品でも、母の日や敬老の日などのイベント時期になると、ギフト向けのLPに切り替えることがあります。

そしてイベントが終われば、また通常のLPに戻します。

商品数が増えてくると、「今どの商品がどのLPになっているのか」「いつ切り替えるのか」「イベント終了後にちゃんと戻したか」といった管理が意外と面倒です。

毎年繰り返す作業でもあるので、これらをまとめて管理できるシステムを作ることにしました。

商品ごとに、現在使用中のLPと過去のLPを並べて表示している管理画面
作った管理システムの画面です。1つの商品について、いま楽天で使っているLPと、過去のLP(切り替え可能な版)を並べて表示しています。

ただ、うちがAIをかなり積極的に使っていることを知っている人なら、こう思うかもしれません。

「それこそAIにやらせればいいのでは?」

確かにその通りです。

「母の日が近づいたら通常LPから母の日用LPに変更して、イベントが終わったら元に戻す」

こうしたルールをAIに与えて自動実行する仕組みを作れば、人間が毎年切り替える必要はありません。

では、AIによる自動化を進めているのに、なぜ私は今もわざわざプログラムを作っているのでしょうか。

理由は大きく2つあります。

1.AIが何をしているのか、人間が一目で確認できるようにするため

AIに仕事を任せるようになると、重要になるのが「今どうなっているのか」を確認できることです。

もちろん、AIからSlackなどに報告させることもできます。

しかし、LP管理で知りたいことはそれだけではありません。

  • 今どんな種類のLPが存在しているのか。
  • 各商品には現在どのLPが適用されているのか。
  • 次はいつ、どのLPに切り替わる予定なのか。
  • 予定していた自動切り替えは正常に実行されたのか。

こうした情報を管理画面にまとめておけば、画面を一つ見るだけで状況が分かります。

LPの版ごとの詳細画面。現在のLPとの画像比較、公開前検査、楽天の現在値との差、切り替え履歴が並んでいる
LPの版ごとの詳細画面です。現在の楽天のLPとこの版を画像で並べて比べられるほか、公開前の検査結果、楽天の現在値との差、切り替えの履歴(成功・失敗)まで1画面で確認できます。

何か確認したくなるたびに、

  • 「今どうなってる?」
  • 「次の切り替えはいつ?」
  • 「この商品はちゃんと母の日LPになってる?」

とAIに質問するより、管理画面を開いたほうが早いこともあります。

つまり管理システムは、人間が作業するためだけのものではありません。

AIに仕事を任せた結果を、人間が確認するための場所でもあるのです。

AIによる無人化が進むほど、むしろこうした「見える化」の重要性は高くなると思っています。

2.AIに毎回考えさせるのではなく、確実に動く道具を持たせるため

もう一つの理由は、こちらのほうがさらに重要です。

AIができることが増えたからといって、すべての処理をAIにその都度考えさせる必要はありません。

たとえばLPを切り替える仕事なら、

  1. 「対象商品を調べる」
  2. 「現在の設定を確認する」
  3. 「指定されたLPへ変更する」
  4. 「変更できたことを確認する」
  5. 「結果を記録する」

といった一連の処理があります。

これを毎回AIがゼロから考えて操作するより、必要なデータをデータベースに整理し、決まった処理はプログラムやスクリプトとして用意しておく。

そしてAIには、必要なタイミングでその仕組みを使わせる。

このほうが安定します。

AIに仕事そのものを毎回やらせるのではなく、仕事をするための道具をプログラムとして用意し、その道具をAIに使わせる。

私はこの形が、AIによる業務自動化ではかなり重要だと考えています。

たとえば「母の日が近づいた」という状況を判断することや、例外が発生したときにどう対応するかを考えることはAIが得意です。

一方で、「この条件なら、このデータを使って、この処理を実行する」という決まった仕事は、従来型のプログラムのほうが速く、安定していて、結果も予測しやすい場合が多くあります。

だったら、両方を組み合わせればいい。

AIは判断する。
プログラムは確実に実行する。
管理画面は、その状態を人間に見せる。

この3つを組み合わせることで、人間が毎回操作しなくても回り、それでいて必要なときには状況をすぐ確認できる仕組みになります。

AIは判断する 状況の判断、例外が発生したときの対応 必要なタイミングで使う プログラムは確実に実行する 決まった処理はプログラムとして用意しておく 結果を記録する 管理画面は、その状態を人間に見せる 画面を一つ見るだけで状況が分かる 必要なときに状況をすぐ確認 人間
AIは判断する。プログラムは確実に実行する。管理画面は、その状態を人間に見せる。

AI時代だから、プログラムが不要になるわけではない

AIがプログラムを書けるようになったことで、「これからはプログラミングなんて覚えなくてもいい」という考え方もあります。

私は少し違うと思っています。

確かに、自分ですべてのコードを書く必要性は以前より小さくなるでしょう。

しかし、

  • 「どんなデータを持つべきか」
  • 「どこまでを決まった処理にするのか」
  • 「どこをAIに判断させるのか」
  • 「失敗したときにどう検知するのか」
  • 「人間はどこを見れば正常だと判断できるのか」

こうした仕組みを考える力は、むしろ重要になっています。

そして、状態やデータがきちんと整理され、決まった方法で操作でき、実行結果まで確認できるプログラムは、人間だけでなくAIにとっても扱いやすい道具になります。

AIが何でもやってくれるから、プログラムがいらなくなる。

私はそうは考えていません。

むしろ逆です。

AIという非常に優秀な「担当者」が登場したからこそ、その担当者が使える道具をどれだけ整備できるかが重要になる。

これからのプログラミングは、人間が自分で操作するソフトを作るためだけのものではなくなっていくのかもしれません。

AIが仕事をするための道具を作る。
AIが扱いやすいようにデータを整える。
そして、その仕事を人間が必要なときに確認できるようにする。

そう考えると、AIを使うスキルとプログラムを作るスキルは、どちらか一方を選ぶものではありません。

この二つを組み合わせる力こそ、これから伸ばしていくべきスキルなのだと思います。

AIに仕事をさせるな。プログラムに仕事をさせろ。 AIエージェントから「報告を受ける場所」を作る〈考え方編〉 コンテンツ一覧へ

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